西晋末以降の概要は長安と鄴の綱引きで説明できる

前回の投稿で、中華において最も豊かな中原(河南省付近)と最も軍事的に優れた北方について、そして両者の結節点である渭水盆地(関中、陝西省付近)と河北エリア(河北省付近)の優位性について説明した。
渭水盆地を代表する都市が長安であり、河北エリアを代表する都市が鄴である。乱世において、この2都市は中原の象徴である洛陽を上回る存在感を示した。
西晋末、五胡十六国、南北朝は混沌として敬遠されがちだが、長安と鄴をどの勢力が支配し、どちらが優勢かで概ね理解できる。

長安        鄴
司馬顒       司馬穎    両者拮抗
司馬顒       司馬越    後者の勝利
西晋        匈奴漢    後者の勝利
西晋滅亡 五胡十六国時代へ
匈奴漢改め前趙   後趙     後者の勝利
後趙は華北を概ね掌握したが、冉閔により崩壊
前秦        前燕     前者の勝利
前秦は華北を統一したが、淝水での敗北により崩壊
後秦        後燕     他の勢力に翻弄され両者とも衰亡
夏         北魏     後者の勝利
北魏による華北統一 南北朝時代へ
(東魏・西魏は傀儡王朝なので省略)
北周        北斉     前者の勝利(逆転模様)
北周による華北統一
北周の流れをくむ隋・唐による中華統一

大雑把に書くとこうなる、意外と簡単である。
(南朝や涼などを完全に無視した概略になるので、これらのファンの方々にはお詫び申し上げる)

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