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鮮卑の通婚関係 その3 武川鎮軍閥編
鮮卑の通婚関係を掘るシリーズ、最後は武川鎮軍閥。 ・宇文泰(北周文帝) 正妻は元氏=拓跋氏、北魏の皇族で孝武帝の妹。宇文覚を産んでいる。妻に姚氏(おそらく後秦の皇族)がおり、宇文毓を産んでいる。妻に叱奴氏がおり、宇文邕を産んでいる。叱奴氏については、赫連夏の武将に叱奴侯提の名があり、北魏を裏切って庾岳に討伐された纥奚部(高車とされるが鮮卑とも)の長が叱奴根、西魏の将に叱奴興の名がある。北方異民族なのは間違いない。 西魏の文帝に嫁いだ娘が居る。匈奴系の竇氏に嫁いだ娘がおり、さら... -
鮮卑の通婚関係 その2 拓跋部編
鮮卑の通婚関係を掘るシリーズ、慕容部に続いて拓跋部だが、あまりにも言及しなければならないことが多すぎてまとめられる気がしない。 ・そもそも拓跋部は鮮卑なのか これまで鮮卑として理解されていた拓跋部だが、近年では匈奴とみなす説も出ている。拓跋部との通婚関係で重要な賀蘭部、中華北東部で鮮卑慕容部と鎬を削った宇文部についても同様の議論がある。鮮卑はもともと匈奴から分枝しており、民族というより様々な起源を持つ部族の連合と解釈した方が良いのかもしれない。 ・拓跋珪(道武帝)をめぐる部族... -
爾朱栄集団というオールスターチーム
六鎮の乱 華北を統一し五胡十六国を終わらせた北魏は、北方の異民族である鮮卑拓跋部という部族を中心とした国家である。根拠地が北方であったこともあり、華北統一時点での首都は中華でも北方にあたる平城(山西省大同市)という都市だった。その北魏がさらに北方にいる異民族(柔然や高車)の脅威に備えて、配置した防衛機関を鎮という(馬の機動力を削ぐ土木工事でなく人で防御するという発想に北方民族らしさを感じる)。それらの鎮のうちで最も有力であった6つ(沃野鎮、柔玄鎮、懐朔鎮、武川鎮、撫冥鎮、懐...