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爾朱栄 北魏の秩序維持とその崩壊
五胡末から南北朝と長期に渡って存在感を示した北魏、爾朱栄がその転機になったことは間違いない。以前から魏書爾朱栄伝に興味はあったが、今回読んでみることにした。ただし、北斉期編纂の魏書は、正史でありながら多くの曲筆が指摘され「穢史」とも呼ばれるいわくつきの書である。魏書を読む際は、常に北斉政権・編者魏収によるフィルターを意識する必要がある。唐代成立の北史にも爾朱栄の列伝があるため、魏書に準拠して記載しながら、食い違う所は適宜追記する。 爾朱栄伝 (魏書 巻74列伝第62、北史 巻48... -
爾朱栄集団というオールスターチーム
六鎮の乱 華北を統一し五胡十六国を終わらせた北魏は、北方の異民族である鮮卑拓跋部という部族を中心とした国家である。根拠地が北方であったこともあり、華北統一時点での首都は中華でも北方にあたる平城(山西省大同市)という都市だった。その北魏がさらに北方にいる異民族(柔然や高車)の脅威に備えて、配置した防衛機関を鎮という(馬の機動力を削ぐ土木工事でなく人で防御するという発想に北方民族らしさを感じる)。それらの鎮のうちで最も有力であった6つ(沃野鎮、柔玄鎮、懐朔鎮、武川鎮、撫冥鎮、懐...
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